小児矯正
pediatric-correction小児矯正について
時期を逃さず適切なケアを
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子供の歯並びや咬み合わせのズレは、早くに発見し、積極的に治し、正しい成長発育路線に軌道修正してあげることが重要です。
そうすることで抜歯や外科矯正のリスクを減らせるだけでなく、本来獲得できるお口や体の機能を損なわずに成長することができます。
矯正を行う3~10歳はもともと虫歯になりやすい時期でもあります。 この時期に定期的に歯科医院に通うことは、虫歯予防だけでなく歯肉炎や口臭予防に効果を発揮します。
子供の頃から歯並びを矯正するメリット
矯正治療は、大人になってからでも可能です。それでは小児矯正を行うことにメリットにはどのようなものがあるのでしょうか?
抜歯をせずに治せる可能性が高まる
一般的に、成長の終わった大人になってからでは半分から2/3程度の方が抜歯が必要になります。 しかし、小児矯正から行うことで約70-80%の方が将来的に抜歯をしないで、歯並び・噛み合わせを治すことができます。
最終的な歯並びがよくなる
成長期から上下のあごのバランスを整えることにより、最終的な歯並び・噛み合わせをより綺麗に整えることができます。
費用が安く済むことがある
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小児矯正は、大人の矯正に比べて安価で始めることができます。 小児矯正後に大人の矯正を行わない場合・行う必要がない場合など大人の矯正に比べて、安価で矯正治療を終えることができます。
キレイな歯並びはお子様の心と体のすこやかな成長には不可欠です。 残された成長発育量の多い子どもの頃に咬み合わせや歯並びを直すことは、単に将来の歯並びがきれいになるだけでなく、多くのメリットがあります。
虫歯や歯周病から歯を守る
歯並びが悪いと歯をよく磨けない部分ができて、虫歯や歯肉炎、歯周病になりやすくなります。 人は唾液を分泌することで歯を清潔にしますが、デコボコがあると唾液があたらない部分が出るため、虫歯になりやすくなります。
顎関節症を予防する
バランスよく咬むことで、顎関節やお口の周りの筋肉に無理な力がかかりません。
姿勢や呼吸を整える
早い時期から歯並びの管理を行うことで、歯並びの不正によって起こる唇の閉鎖不全や舌の位置異常が原因で起こる、 口呼吸や猫背などの呼吸や姿勢の問題を早い時期から改善できるため、全身の健全な成長を促します。
体のバランス感覚を良くする
咬み合わせを改善することで、バランス感覚や全身の筋肉の瞬発力が向上します。
記憶力、思考力を良くする
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咬むことによって記憶力や思考力、情報処理能力を司る脳の「前頭前野」が活性化されます。 これは「人間らしさを司る脳」とも言われ、咬むことで喜怒哀楽などの豊かな感情も育んでいきます。
発音が良くなる
咬み合わせや歯並びを改善することで、唇や舌の動きが改善され、発音機能が向上します。
美しく、健康的な歯はお子さまの一生の宝物です。
歯列矯正治療をしたほうがよい歯並びの事例
子供の矯正装置のご紹介
子供の矯正治療では、歯並びや噛み合わせの状態や成長・発育の段階にあわせて色々な装置を使用します。 当院では、平均的に4種類程度の矯正装置を成長に合わせて使うことが多いです。代表的な装置に以下のようなものがあります。
お子さまのお口の状態によってどのような装置を使うかは変わってきます。ご不明な点などございましたらお気軽にご相談ください。
拡大床(かくだいしょう)
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ネジの力であごの幅を拡大する取り外し式の装置です。装置の中央には、拡大ネジとよばれるネジが埋め込んであり、 このネジの幅を広げる力を加えることで、歯の土台となる歯槽骨を側方に押し広げる構造です。 永久歯が生えるための隙間が足りない場合などに良く使用します。お食事や歯ブラシのときは外すことができます。
リンガルアーチ
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リンガルアーチは歯の裏側につける装置です。主に前歯を後ろから押したり、隙間を維持する場合などに使用します。 裏側から装着するので表からは矯正しているように見えません。奥歯にセメントで接着してありますので、自分で取り外しができません。
部分的なワイヤー装置
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隙間を作ったあと歯のねじれをとるときや隙間を作るときに使用します。小児矯正の場合、大人の矯正とは異なり、 4本又は6本程度にしか装置はつけません。 また、装着期間も大人より全然短くて済みます。歯に直接接着してありますので、自分では取り外しができません。
ヘッドギア
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ヘッドギアは、あごを固定源として、ゴムの力で上あごの奥歯(第一大臼歯)を後ろへひっぱる装置です。主に上顎前突症(出っ歯)の矯正治療の際に使用される矯正装置です。 短い時間でも毎日続けて使うことが大切で、一生懸命使えば、それだけしっかり歯が動きます。就寝時を中心に1日 10時間以上の使用が理想的です。
大人と子供の矯正治療の違い
子どもの矯正治療の特徴 (小児矯正、Ⅰ期治療)
成長期の子どもを対象とした矯正治療で、アゴの骨のバランスを整えたり、永久歯が生える隙間を作ったりします。 アゴの成長や歯の生え変わりとともに、ゆっくりと歯やアゴの骨にアプローチを行ないます。
一般的には、7~9歳程度(上の前歯が萌え替わる頃)から開始をすると良いとされており、永久歯が生えそろうまで管理します。
子どもの矯正治療の目的は以下になります。
1. 永久歯が生える隙間をつくること
永久歯が生えそろったときにガタガタにならないように、成長期にアゴを広げたり、 奥歯を後ろに動かしたりして、隙間を作ります。大人になってからは、アゴを広げることはできません。
2. 上あごと下あごの成長のバランスを整えること
出っ歯や受け口など、上あごと下あごのバランスが悪い場合には、上あごと下あごのバランスを整えるため、成長のコントロールを行ないます。
大人の矯正治療の特徴 (成人矯正、Ⅱ期治療、本格矯正)
永久歯に生えそろった方を対象とする矯正治療で、歯のガタガタ、上の歯の突出、反対咬合などの不正咬合を直し、口元の改善を行なうことにより審美的な歯並びをもたらします。
当然、歯並びだけでなく噛み合わせも改善することによりしっかりと噛めるようになります。 子どもの矯正治療を異なり、アゴの骨にはアプローチできないため、歯並びによっては、抜歯をすることもあります。
よくある質問
Qいつから始めれば良い?
A日本矯正歯科学会によると、7~8歳時までに矯正専門医による矯正治療の必要性を判断することを推奨しております。 一般的には、上の前歯が生えてきた頃が目安となります。
ただし、9~12歳でも歯の生え変わりには個人差がありますので、小児矯正が可能な場合がありますので、一度ご相談ください。
Qどのくらいの期間がかかる?
A一般的に、小児矯正の終了時期は永久歯が生えそろうまでとされております。 最後の永久歯が生えるのが 12~14歳程度と考えると、長い方だと6~7年間かかることになります。
しかし、小児矯正の特徴として、”積極的に歯やあごを動かす時期” と “歯の生え変わりやアゴの成長を観察する時期” の2つの時期があり、 一般的に “積極的に歯を動かす時期” は 2~3年程度であり、残りは “歯の生え変わりやアゴの成長を観察する時期” となります。
観察期は 3~6か月に1回程度の通院になりますので、治療期間は長期になりますが、通院のご負担は少ない治療になります。